ストレスとファイター・ストZERO
つまらない午後のひととき、中学生の僕はクールを1時間に8本も吸う友だちと一緒だった。ここに、もう答えは書いてある。
これほど短い時間で8本も吸うには、友だちは若すぎた。ややもすれば、青ざめた顔になって吐いてしまうかもしれない。友だちの肺は泥のように真っ黒になって、肺がんにさえなりかねない。
「なんかさ、だるくねえ? 」と友だちは言った。「なんかさ、おもしろいことねーかな」
「え? だるくないよ」と僕は言った。「まじ? おれ、結構おもしろいけどな」
「そーお? あーあ、だる」と友だち。
「なんかさ、腹へらねえ? カップめんとかないの? おれ、チリトマが好きなんだ。ねーか」
「カレーなら」と僕は言った。「だけど、家でメシ食わんの? いま食ったら夜食えなくなんねー?」
僕は呆れていた。友だちはクールを吸い続けて灰皿はサンゴのようになっていた。これ以上、この友だちとやっても意味ないか。
友だちはクールをまた一本灰皿サンゴに差し込んで、新しい一本に火をつけた。それで気が散っているとも知らず。
カレーヌードルに湯を入れて、友だちに渡すと、彼は学習机のイスに座って、腹を満たそうとした。
右足を左膝にかけて退屈そうに、友だちはヌードルをすすった。ヌードルをすすったあと、頭をあげて鼻をすする、ヌードルをすすったあと、頭をあげて鼻をすする。
それだよ! 連続動作が大事なんだよ!
友だちの家は中学校の近くで、両親と3人のアパート暮らしだった。彼の煙たい部屋にはテレビがなかった。
友だちはだふだぶのジーンズを履いて、スケボーが得意だった。おーり、わんえいてぃ。
友だちは僕の部屋を気に入っていた。そして、僕のゲーム機を気に入っていた。学校から帰ると、すぐさま僕の部屋に来て。クールとゲーム。たまにヌードル。
勝負はあからさまで、僕はたまに気をつかって負けてあげた。すると本気をせがまれるので完勝する。これの繰り返し。
「ねえ、何回教えたらコンボを理解してくれるの? 起き上がりに昇龍レッパも何回ひっかかるの? 」
「あー、なんかだるいわ」
現在は中古バイク屋で働き、子供が2人、嫁さんと4人、アパート暮らしだ。まんまるになった顔をして、タバコはやめたと言っていた。
読んでくれてありがとう。明日も元気で!
多分僕もまた来ます。